代理人のことを示す英単語としてagentとagencyがあります。日本語でもエージェント、エージェンシーといった言葉があるので、そのままの意味で使って良いのかと悩む人もいるでしょう。そもそもエージェントとエージェンシーの違いもわからない人もいるかもしれません。その違いを明確にして正しく使い分けられるようになりましょう。
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本来の意味と慣用的な使い方に注意しよう
agentは代理人や取扱人と訳されることが多く、単純にカタカナにしてエージェントとされることも多くなりました。一方、agencyについては代理店、取扱店、あるいはエージェンシーと訳されるのが通例です。近年ではagentも代理店や取扱店と訳されることも多くなり、この二つの単語の違いが何なのかがわからなくなってきています。ただ、agencyを代理人、取扱人と訳すことはありません。つまり、平たく言ってしまえばagentは個人として代理業務を行う人を指すのに対し、agencyは代理業務を遂行する組織を指すのです。
agentが代理人だけでなく代理店の意味も持つようになったのは代理業務を行う個人事業主が増えてきた影響を受けています。もともとagentとして活躍していた人が事業を拡大していき、最終的には会社を設立してagencyとなっていることも珍しくありません。その途中のプロセスで従業員を若干名抱えているときにagentと言うべきか、agencyと表現すべきかがわからなくなってしまうこともあるでしょう。そのため、慣用的にagentで個人も法人組織もまとめて指し示せるようになってきているのです。迷ったときにはagentを使っておいて大きな問題が発生することはなく、トラブルの原因になることもないでしょう。
ただ、シチュエーションによってagencyが好まれる場合もあるので注意しなければなりません。agentはagencyに所属している個人を指すことも、組織全体を指すこともできます。That agent was very supportive.と話をしたときに、それが自分を担当してくれたエージェントのことを指しているのか、会社全体として行ってくれたサービスのことなのかを判断することはできません。自分を担当したエージェントはイマイチだったけれど、会社としてのサポートは満足できるものだった場合にはThat agency was very supportive.という表現にして使い分けた方が正しく伝わります。
意味合いの違いを意識して使い分けよう
agentとagencyはどちらも代理店の意味で使うことができますが、もともとagentは個人を指し示すものなので代理人というのがもともとの意味です。個人と組織のどちらを指しているかを明確化したいときには適切に使い分けなければなりません。誤解を生む心配がない場合にはagentを使っても問題はないですが、使い分けを意識するとコミュニケーションが円滑になります。