needとwantは意味も用法も似ているため、ときに混同されがちな英単語と言ってもよいかもしれません。しかし、needとwantは状況に応じた適正な使い方が決められているので、しっかりと学んでおく必要があります。特に、needとwantを動詞として用いる場合には細かいルールがあるので、基本的な用法を間違えないように品詞別に解説しましょう。
目次
needとwantを動詞として使う場合
needとwantの代表的な用法として、それぞれ「必要とする」「欲する」という意味の動詞があります。どちらもwaterなどの一般名詞の目的語を後ろに置けば、他動詞としてneed waterやwant waterという風に「水が必要だ」「水が欲しい」という意味になることは知られている通りです。wantには「欠けている」「不足している」という意味もあり、You want courageと言えば、「君は勇気が欲しい」ではなく「君は勇気が足りない」という意味になりますが、needにはこのような意味はありません。また、needとwantは目的語としてto不定詞を取ることもできます。たとえば、need to runとwant to runは「走る必要がある」「走りたい」という意味になります。
この場合に、wantは否定形も疑問形もdon’t/doesn’t want toとDo you/Does he want toというようにto不定詞を使うことができますが、needにはそのような用法が許されていません。すなわち、needの場合には否定形「する必要がない」はdon’t/doesn’t have to+動詞の原形、疑問形「する必要があるか?」がNeed I/he+動詞の原形などというようにhaveや助動詞のneedを用いることになっているのです。したがって、needの否定形にdon’t/doesn’t need to+動詞の原形、疑問形にDo you/Does he need to+動詞の原形というようにto不定詞を用いてはいけません。また、need not+動詞の原形は「必ずしもそうとは限らない」という部分否定の意味になります。そして、平叙文の場合には助動詞のneedを用いてI need studyというようにto不定詞を使わないことも許されていないので注意しましょう。
needとwantを名詞で使う場合
needとwantは動詞や助動詞だけでなく、名詞として使うこともあります。There is no need for you to hurryという英文は、You don’t have to hurryと同じ意味で「急ぐ必要はない」という訳になります。in needだけで「困っている」という意味にもなります。wantも同様にfor want ofで「不足している」という慣用句などがありますが、needとの互換性がない場合が多いので用法の違いを意識して使い分けに注意しましょう。
needとwantを混同しないように使い分けましょう
needもwantも、初心者が最初に学ぶ重要な単語です。しかし、その用法は複雑で使い方には注意すべき点がたくさんあることが明確になったことでしょう。さらに学習を進めるとneed/want+to have+の過去分詞の組み合わせなど奥が深く、きちんと勉強しないとneedとwantを克服したとは言えません。どちらも文法事項の重要ポイントの基本となる単語なので、十分に知識を得て正確な英文を作成できるようになりましょう。