英語には同じ意味で異なる使い方をする語があることは、よく知られていると言って良いでしょう。houseとhomeについてはどちらも「家」という意味で一般に理解されていますが、品詞の種類や用法については必ずしも同じだとは言えません。状況によってhouseとhomeの用法について厳格な区別があります。houseとhomeの品詞の種類と使い方の違いについて解説しましょう。
目次
houseとhomeを名詞として使用する場合
houseとhomeを「家」という名詞で使う場合について説明しましょう。通常「家で」という副詞句を作りためには、in a houseまたはat home というように伴う前置詞が違います。houseにはsmallなどの形容詞を付けin a small houseとして「小さな家で」という副詞句を形成することが可能です。一方、home の場合にはこのような形容詞で修飾することはできず、at homeという言い方しかできないので使い分けに注意しなければなりません。この場合homeは不可算名詞なので、houseと異なり冠詞のaを付けたり複数形のsを末尾に付加することもできません。
また、at homeには「家で」という意味だけでなく、「ほっとする」「リラックスする」という意味もあります。招待客を自宅に迎えた際などに、ホストがゲストに「寛いでください」と言いたい場合にはPlease make yourself at homeという表現を使います。一方で、houseも「家」だけでなく、様々な意味を持つ多義語です。定冠詞を付けたthe houseは「家庭」「家族」を意味します。同様に定冠詞を伴い大文字のHで始めるthe Houseは、「議会」や「議院」という意味になります。on the houseは、「(店・主催者)のおごりになる・無料でふるまわれる」という慣用句としても使われています。
homeを副詞で使用する場合
houseを用いて「家へ」という副詞句を作る場合には、to the houseというように前置詞が必要です。一方、homeには副詞で「家へ」という意味があるので、前置詞は必要ありません。したがって、「家に子どもを連れて帰る」という表現は、take a child to the houseまたはtake the child homeという言い方を使うことができます。間違ってhomeの前に前置詞のtoを付けないようにしましょう。逆にhouseを副詞として単独で使用することはできません。
houseとhomeを動詞で使う場合
houseとhomeは動詞としても使うことができます。どちらもliveと同様に「住む」という意味で使用できるのです。houseには「泊める」「収容する」といった他動詞の意味もあります。homeは「帰郷する」「帰国する」という自動詞のほか、「帰らせる」「誘導する」など他動詞としても使われています。
houseとhomeの英語独特の使い分けに注意しましょう
houseとhomeを同じ「家」という意味として覚えてしまうと、実際に使う段階になって用法を誤ってしまうことがあります。そこで、細かいルールではありますが、状況に応じて品詞の使い分けをよく考え前置詞や冠詞の付け方についても考慮しなければなりません。また、「家」以外の意味としても使用されることを念頭において、慣用表現に慣れておくようにしましょう。